どうも神田です!以前、「カラオケの上手さと歌の上手さはほぼ同じである」という話をしました。
どうも神田です!この前「カラオケが上手い、ということは歌が上手いということですか?」という質問をいただきました。これに関しては「ほぼ同じですよ」という答えとその理由を説明したのですが、そういえばこのサイトでは紹介していないなと思いました。[…]
上記の記事を公開してしばらく経った頃に、
という質問をいただきました。
詳しく聴いてみると、その方は頻繁にカラオケに行くそうなのですが、知人の中にカラオケの精密採点で高得点を取れる友人がいらっしゃるそうです。ですが点数は高いのに上手いとは感じない、とのことで不思議に思っているようでした。
この点に関してはあなたも疑問に思っているかもしれませんので、当サービスが考えている「カラオケの上手さ(≒歌の上手さ)とカラオケの点数の関係性」について紹介していきます。
カラオケの上手さとカラオケの点数は完全に同じものではない!
結論から述べてしまうと「カラオケが上手いこと≠カラオケの点数が取れること」ということになります。
具体的に図を使用して説明をすると、カラオケの上手さ(≒歌の上手さ)とカラオケの点数の関係は以下のような形になります。
※採点の点数はLIVE DAMの「精密採点DX-G」における点数
90点まではその点数に応じてカラオケの上手さ(≒歌の上手さ)が決まっていくと思われます。しかし、90点以降、とくに95点以降は段々とカラオケの上手さ(≒歌の上手さ)は下がっていきます。
100点に関してはかなり下がりますね。このレベルになるとお世辞にも聴いていて上手いとは思えないレベルです。このように、カラオケの点数は満点である100点に近づけば近づくほど、上手さからは離れていく、と考えられます。
カラオケの上手さとカラオケの点数はなぜ同じではない?
それでは、なぜカラオケの上手さ(≒歌の上手さ)とカラオケの点数は比例しないのでしょうか?これに関しては、カラオケにおいてその点数を取るために必要な要素を考えると見えてきます。
実際に、90点、95点、100点を取るのに必要な要素と、それがカラオケの上手さ(≒歌の上手さ)に与える影響について見ていきましょう。
①90点を取るのに必要な要素と上手さへの影響
精密採点DX-Gにおいて90点を取るのに必要なものは「音程」「表現力」「リズム」です。それぞれをより詳しく見ていきましょう。
まず、「音程」に関しては言うまでもないと思いますが、音程が合っているということは歌が上手いということです。周りの人が普段聴いている音と同じ音を出せていればそれは上手いということになるからです。
「音程」に関しては採点でも上手さでも非常に重要な項目です。これを極めずして点数が上がることも、上手いと言われることもないでしょう。
次は「表現力」ですね。これに関しては少し意見が分かれますが、曲によっては特殊なテクニックを使用しなくても勝手に高い評価をもらえる曲も多いです。90点を目指す程度ならそこまで意識しなくても良いところが大きいですね。
最後の「リズム」についても、これを外していては上手いとは言えないでしょう。周りが聴いている曲を再現できていないということは下手と思われる要因です。これに関しても重視する必要があります。
このように3つの要素を見てみると、どの要素も重要でありかつそれらを頑張って習得することで歌の上手さに直結するのがよく分かります。90点まで上手さがどんどん上がっていくのはそのためです。
昔の採点ならば話は別ですが、現在の採点ならば、点数が70点よりも音程が合っている90点の方が上手いと言えます。以上の点から、90点までは歌の上手さと点数は比例すると言えます。
②95点を取るのに必要な要素と上手さへの影響
95点から話が少し変わってきます。95点を取るのに必要な要素は90点で紹介した3つの要素に加え「特殊な型のビブラート」が必要になります。
いわゆる○ー3型のビブラートというものなのですが、これを曲中に入れることでビブラートの評価がぐんと上がります。このビブラートは精密採点DX-Gが好むビブラートで、どの曲でも有効です。
そのためこのビブラートを習得さえすれば95点を突破するのは容易なのですが、このビブラートを原曲を歌っているアーティストは使っていない可能性が高いです。
使っているアーティストも居るのですが、この○ー3型ビブラートというのはゆっくりとしてなおかつはっきりとした波のビブラートです。演歌歌手などに多いです。
そのため○ー3型のビブラートを使用している人の歌声を聴いていると「普段聴いている曲では、アーティストはそんなビブラートを使用していない」という感想が出てきます。
そのため上手さよりも違和感の方が大きくなってきますね。点数が高い人が歌が上手いわけではない原因がこの違和感にあります。
③100点を取るのに必要な要素と上手さへの影響
95点にて現れた違和感は、100点を取るのに必要な要素を考慮するとさらに大きなものになっていきます。
100点を取るのに必要な要素はこれまで紹介した要素に加えて「安定性」が入ってきます。さらにこれまでよりもさらに高い「音程」と「表現力」が必要になります。
「安定性」はどのようにすれば上がるかというと、前述した○ー3型のビブラートを多く入れることで上がります。そのため曲中で30秒程度の○-3型ビブラートを入れることになります。
「アーティストはそんなビブラートを使用していない」から「アーティストはそんなところでビブラートをしていない」に違和感が変わります。これは大きな変化です。聴いていて不自然な印象が強すぎるからです。
さらに「音程」「表現力」のさらなる高得点も上手さへの悪影響を与えています。「音程」に関しては90%を越えると100点が取りやすくなるのですが、音程90%を越えるための歌唱は曲にもよりますが、一音一音を外さないように細心の注意を払うため、平坦かつ聴いていて不自然な歌い方になります。
「表現力」に関しても、この項目は声の大小で点数を決定するので声を大きさを頻繁に変えたり、マイクの距離を調節したりします。
ここまで来ると記憶の中にある「アーティストの歌い方」とはかなりかけ離れた歌い方になり、強すぎる違和感として周りの人は感じ取ります。機械が好む歌い方ということになるので、人の心に響かなくなるのです。
そのため、点数が高い≠カラオケが上手いという形になってしまうのですね。
カラオケの上手さとカラオケの点数について ~おわりに~
カラオケの点数がすごく高いからと言ってカラオケが上手いわけではありません。95点以上を取れる方は数は少ないですが、採点において点数を取ることに夢中になりすぎて上手さを捨てている印象があります。(私もその一人ですが……)
とはいえ彼らは高得点を取るためにそういった歌唱をしているだけで、普通に歌えばそれなりに上手く歌える人たちです。
注目すべきは点数が取れるからと言ってカラオケが上手いわけではない、ということではなく90点程度までならば点数が高い方が上手い、という点です。
もしもあなたが精密採点であまり高い点数を取ることができず、なおかつ上手くなりたいと思っているならば全く点数を気にすることなく練習するのは避けるべきです。
少なくとも総合得点で90点が取れる程度までは採点で練習をするのが良いでしょう。活用できるものはするべきですし、90点までならばカラオケの上手さ(≒歌の上手さ)も同時に上げることができますよ。